先日、いわゆる「年金制度改革」法に含まれる障害年金の重要な改正についてお伝えしました。(こちら)
これに続いて、国民年金法の施行令・施行規則などを改正する政令・省令が公布されましたので、ご紹介します。(本年7月4日付)
今回の改正の趣旨は、障害基礎年金の受給者全体の前年所得が上昇している現実を反映し、前年の受給者が翌年も引き続き受給できるようにするために、二十歳前の傷病による障害基礎年金の所得基準を引き上げたものです。
ここで、おや?と疑問に思われた方もいるかもしれませんね。
障害年金は、働いていても(収入があっても)受給できたはずでは?と。
障害年金(国年、厚年いずれも)は、原則として、初診日前に加入していた年金の保険料をキチンと納めていたことが受給要件にあり、所定の要件を満たせば、所得の高い方でも受給できます。
ただし、例外があり、それが国民年金の「二十歳前傷病」ですね。
「二十歳前」ということは、そもそも年金に加入していない(=保険料を納めていない)方を対象に所得補償するための「福祉」的な制度といえます。
そのため、一定以上の所得がある方の受給は制限して、公平性を保っています。
(ちなみに、障害厚生年金には、制度上こうした例外はありません)
今回お伝えするのは、この所得基準(前年所得)の引き上げです。

障害年金生活者支援給付金の所得基準(前年所得)も、同様の金額に改正されました。
肝心の施行日も確認しておきましょう。
令和7年10月1日施行で、同月以後に発した二十歳前傷病による障害基礎年金、障害年金生活者支援給付金から適用されます。
ということは、あくまでも今後の発症者が対象ということですね。
なお、経過措置があります。
令和5年以前の年の所得に関する届出に添付する書類は、改正前の扱いになります。
引き続き、注目していきましょう。

