前回は、その人が受け取れる障害年金の種類を決めるのが初診日であること、また、保険料の納付要件を満たすかどうか判断するのが初診日の前日においてであることを紹介しました。(⇒こちら)
でも、なぜ「病気やケガの発症日」ではなく「初診日」が基準なの?…と疑問に思いませんか。
✅病気やケガの発症日を基準にしないワケ
いわゆる「保険事故」という考え方があります。
保険の制度における給付を受ける原因となる出来事をさします。
先にも書きましたが、障害年金は保険の仕組みなので「保険事故」があります。老齢、死亡、そして障害ですね。
ただし、一言で「障害」といっても、内容はとても複雑です。
身体の障害もあれば、精神やその他の障害もあります。また時間的にも障害の状態は変化していきます。一人ひとりの病歴、生活状態、おかれた環境も異なります。
そうなると、保険事故である出来事の最初の出発点を、病気やケガの発症日とすると、客観的に定まらない(つまり請求者側と保険者側の認識が必ずしも一致しない)ことが想定されるのです。
そこで、客観的に定まるであろう日として「初診日」が登場するわけですね!
障害の原因である病気やケガで、初めて医師または歯科医師を受診した日。これであれば、受診の事実を確認することにより証明されるではないか、と。制度の建付けとして、この初診日を保険事故の出発点としたのです。
(ちなみに、保険事故の完了点は「障害認定日」。こちらも重要な日付ですので、次のシリーズを予定しています。)
✅初診日は自己申告ではなく客観的な証明が求められる
ですので、初診日は「この日!」と自己申告だけでは認めてもらえません。
客観的に証明できる書類の提出が必要です。
障害年金の実際の請求手続きでは、初診の医療機関等による「受診状況等証明書」がその代表例です。
ここで注意しなくてはならないことは、認められるのは医師または歯科医師だけという点です。それ以外のケース、例えば整骨院などでの初診日は対象外になってしまいます。
また、医療機関のカルテ保存義務は5年間とされていることにも注意して下さい。10年、15年前の病歴を証明してもらおうとすると、カルテが廃棄されていることもあり得るからです。
そのようなケースでは、カルテ以外による証明ができるか、あるいは2番目以降の医療機関に紹介状などが残っているか、その他、様々な参考資料を収集し初診日を証明していくことになります。
このあたりは、とにかく「諦めない」ことが肝腎、ですね!
(次回は「初診日の例外」を取り上げます)

