「初診日―障害の原因となった傷病(病気やケガ)について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日。」
読んで字の如くなら、単純に見えますよね。
でも、障害年金の「初診日」は、今も様々な論点がある実に重要なテーマ!
直接には、障害年金を請求するための要件だからですが、それだけではなく、しばしば例外や、一意に決まらない悩ましいケースもあるんです。
以下のテーマで、数回に分けて、解説していきます!(今回は1と2です)
1 初診日が、受け取れる障害年金の種類を決める
2 保険料の納付状況のをみるのは、初診日の前日
3 なぜ病気やけがの発症日ではなく、初診日が基準なのか
4 初診日の例外
5 一意に決まらない初診日のケース
6 初診日をめぐる論点いろいろ
1 初診日が、その人の受け取る障害年金を決める
現在の公的年金には、大きく分けると、国民年金と厚生年金がありますよね。
①原則として20歳以上65歳未満の日本在住者が全員義務加入の国民年金。自営業・学生・会社員の配偶者などが対象です。
②原則として70歳未満の会社員・公務員が職場で義務加入する厚生年金。
ちなみに、あまり意識することはないけれど、厚生年金保険料には国民年金の分も含まれています。
他方、会社員の配偶者などは、国民年金に加入していても保険料は納めていません。(例えば、夫が会社員・妻が専業主婦の場合、夫が妻の保険料も一緒に納めているのではない。)
長いこと会社勤めしていたけど、最近退職して自営業を始めたよ、という場合はどうなのでしょう?
障害年金という制度は、初診日に①・②いずれの加入者だったかで、その人が受け取れる年金が決まります。
初診日に加入しているのが、①国民年金なら、受け取れるのは定額の基礎年金。
3級はなく、2級以上でないと不該当です。また、子の加算はありますが、配偶者加給はありません。
他方、初診日に②厚生年金に加入していれば、①の基礎年金を一階部分とし、自分の報酬比例の年金が二階部分になります。
3級もあり、障害手当金という制度もあります。また、配偶者加給もあります。
当然、給付内容は②厚生年金のほうが断然有利。金額にも大きな違いがあります。
(⇒詳しくはこちら「Q 支給認定された場合、どれくらいの金額を受け取れますか?」)
だから、会社を辞める前に、人間ドックを受けたほうが良いという人もいるくらいなんですね。
2 保険料の納付状況をみるのは、初診日の前日
上記のとおり、年金は「保険」ですから、当然ですが、給付(=年金)を受け取るためには、その人が負担(=保険料)を納めていることが要件です。つまり、加入しているだけで保険料を納めない人は、年金を受け取る権利が発生しないのです。
最近はずっと保険料を納めているけれど、昔は未納にしていた期間がある、という場合はどうなのでしょう?
障害年金という制度は、初診日の前日における、過去の納付状況を確認します。
だから、病気やケガをした後で、障害年金を受け取るために、それまで未納にしていた保険料を駆け込み的に納めても間に合いません。
原則として、初診日の前日において、その月の前々月までの加入期間の3分の1未満であれば未納があってもOKです。
また、特例として「直近1年要件」も有効です。初診日のある月の前々月までの1年間に未納がないことです。こちらでクリアできるケースも相当ありますね。いずれかを満たせばOKです。
ちなみに、ここでいう「未納」は文字どおりの未納で、申請による「免除」とは区別されています。
また、産前産後期間については「免除」ですが、障害年金では「納付済」とみなされます。
ですので、学生でまだ収入がない時期や、失職して経済的に保険料を支払うのが難しい場合などがあれば、そんな時は、少なくとも、申請して保険料の免除(全額または一部)を手続しておくことを強く、強くおススメします。
単なる未納にしてしまうと、いざという時、障害年金の要件を満たせませんからね。泣くに泣けません…。
(次回は「なぜ病気やケガの発症日ではなく、初診日が基準なの?」です)

